kakokawabox.prpr

madの作り方と動画の紹介・まとめ

#54『恒星』メイキング

 

 

 

お久しぶりです。またmadを投稿してしまいました。

今作は2019年1月26日、2月2日の二夜に渡って行われたMAD配信イベントMADLIVE EXP!!!!! vol.440の出展作品となります。

主宰の津名さんから、アイマス素材の新作を作れと脅され(正確には「できれば作って欲しい」と言われたが、並々ならぬ圧を感じた)、デレマスしか知らないですがいいですか…ということで参加させていただきました。本当に怖かったです(うそです

ch.nicovideo.jp

 

 

1.本作のテーマのお話

本イベントのテーマの一つに「温故知新」というものがありました。温故知新の意味は三省堂新明解四字熟語辞典によると

前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。

と言う意味らしいです。
 そういうわけで、自分にとっての過去ってなんだろう、そして島村卯月にとっての過去ってなんだろうという問いかけを織り交ぜる様な映像にしてみたいと考えました。

 

自分の過去とは…?
本作を制作する上で過去、自分がどのように作品を作ってきたのかを振り返ってみると、尊敬する映像作家さんや好きなアニメの演出をパクり倒す(真似したい)連続だったと思い出しました。それは時としてアニメ演出家の尾石達也さんだったり、映像作家のyama-koさんや百舌谷さんだったり、あるいはMAD作者の方々(数えきれないので省略しますが…)であったわけです。ですが、いつからかその憧れのようなものが薄くなってきている実感があって、もう一度憧れや真似してみたくなる気持ちの一片でも再び思い出せたらと思い今回参考に選んだのがMirrorDanceという曲そしてミュージックビデオでした。

www.youtube.com

これ、めちゃくちゃかっこよくないですか?シェイプが音と連動するのはモーショングラフィックスの定番というか基本的な演出だと思うのですが、単にそれだけでなくて、まるで形状に意味がない・均整が取れていないようなシェイプの動作が何故か気持ちよく見える不思議さが詰まっています。
この作品を見ると今、巷で流行っているモーションが気持ち良いモーションの全てではなく、私達の中にはまだ違う気持ち良いモーションを感じ取れる受容体が存在していることが実感できます。

 

さて、実は過去にこのMVに似たような演出を取り込んだMADを作っています。

www.nicovideo.jp

制作したのは2013年、実に5年以上前のMADなんですが、当時鏡面演出を取り込めなくて悔しい思いをした覚えがありましたので、今回こそはと思い再チャレンジしてみました。

 

ここで島村卯月さん(アニメ版)の話になりますが、彼女もまた自分のあり方について疑問を持ち始めます。周囲のアイドルたちが別々の道を見つけて進んでいく中、自分にはなにもないんじゃないかと自分が信じられなくなっていくのです。紆余曲折があり、この物語は、輝けるかどうかわからないけど輝きたい思いが確かにある!という風に締めくくられます。

なんだか少しわかる気がしますよね。あの日あの時できていたことができなくなっていく…自分が何をしたいのかよくわからなくなっていく…
若者特有の根拠のない自信が喪失する瞬間というやつでしょうか。でも、実際自信なんかあの日もなかったことに気づくんです。ただあの日あの時やりたいことをひたすらやり続けて楽しくってそんな気持ちに気づかなかったり考えてなかっただけなんです。そんなこと考える暇なんかないほどに楽しんでいた。ただそれだけなんですよね。

 というわけで、「あの日を思い出すこと」がこの作品のテーマなんです(唐突)

 

 

2.本作の各カットについてのお話
①光と恒星(謎オブジェクト)の展開f:id:oomugi839:20190223095845p:plain▲足元に散らばる光るオブジェクトと鏡のオブジェクト。前者は自らの内に秘める恒星の”素”をイメージしている。後者の鏡は自らは輝きを発しないが光を反射して増幅させる「何か(応援してくれる仲間やファンやあるいは自らの輝かしい過去?)」をイメージしたもの。この時点では何の力も働いておらず、地面に散らばっているだけの静止状態。

 

f:id:oomugi839:20190223095852p:plainf:id:oomugi839:20190223095858p:plain
▲アニメのワンシーンを抽出。卯月が歌う直前に照明が落ちるのだが、周りに光がなくとも「自ら光を放てるのか」試されていると解釈できる。良いシーン

 

f:id:oomugi839:20190223110855p:plain▲恒星の素、鏡が何らかの”意味ある”力を受けて浮かび上がり、輝き出す。

 

f:id:oomugi839:20190223142002p:plain f:id:oomugi839:20190223095934p:plain
▲核となる星型に恒星の素が集まり(左)、星を作り出す(右)。
まず、核に素が集まっている感じがしない、星なのかどうかわからない、2カットの連関が分かりづらい、輝いてる感じがしないなど、なんとも演出不足を感じさせる。今作一の反省箇所となった。

 

 

②星と島村卯月さんの心象

f:id:oomugi839:20190223095834p:plainf:id:oomugi839:20190223095914p:plainf:id:oomugi839:20190223095922p:plain
▲自分の中にある”星”が消えたり現れたり。島村卯月の心象変化

 

f:id:oomugi839:20190223095839p:plain f:id:oomugi839:20190223095906p:plain
▲左:星がチカチカと消えていき、輝きを見失ってしまう。右:空を見上げ、輝きが自分の中に存在しているのか確かめるカット。「”星”はきっとそこにあるから」はShine!!の歌詞「曇り空でも星はきっとそこにあるよね」をもじったもの。

 

 

3.技術的なお話
①鏡面の破片(Blender2.79で制作)
f:id:oomugi839:20190223095828p:plain
▲完成カット あの日の感動をもう一度。元ネタMVの眼を見張るようなかっこよカットのパクリ。100%の再現にはならないがフレーム単位で何度も見返して、こうやって作ってるのか!という発見をしながらの制作となった。そう言えば昔はそんな泥臭い作り方をしていたなぁ…

f:id:oomugi839:20190223113028p:plainf:id:oomugi839:20190223113013p:plain
▲左:ベジェカーブからオブジェクト作成し、鏡面の素材を9種作成。右:立方体オブジェクト内にパーティクルとして先の素材を発生させる。カメラから見えない箇所に光源となる平面をいくつか置く。

 

f:id:oomugi839:20190223113024p:plain f:id:oomugi839:20190223113020p:plain
▲左:パーティクルとして存在している鏡面をくるくる回転させるためにフォースフィールド(乱流)を追加する。50fごとに強さの符号(±)が逆転するようにキーフレームを打つ(右図)とオブジェクトが回転するようになる。※元ネタのMirrorDanceのミュージックビデオでは回転しつつ破片が若干移動しているが、今回は移動は無視した。

 

 

4.おわりに
今作はいかがだったでしょうか…勝手に島村さんにシンパシーを感じてこのようなMADを作ってしまいましたが、楽しんでいただける方がいれば幸いです。

またMLE運営の方々、本当にお疲れ様でした。私も何度か修正を投げたので、面倒なことをさせてしまい申し訳ないです。

当日の熱狂とあの”繋ぎ”は本当にまさにライブといった感じで素晴らしかったです。織り込まれた過去作についてもジャンルを網羅するようなチョイスで、MADを知るという観点から大変興味深く感じました。また来年も期待しております…!

 

それでは、今回はこの辺で!ばいばい